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聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 神奈川県川崎市宮前区

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留学記 abroad-201911

留学記 From Memphis, Tennessee

聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 谷澤雅彦

 

2019年11月・12月レポート

アメリカでの2回名のクリスマスを迎えました。ということは自動的に私の誕生日も2回目です。
そして我が家に新しい家族が増えました。サンタクロースの使いの妖精エルフ(The Elf on the Shelf)、その名もBella(これは娘がつけました)です(写真)。
昨年はその文化を知らず過ぎ去ってしまいましたが、親も子供もこの1年でアメリカの様々な文化の知識を付けたので、今年は我が家にやってきました。

 

 

一方でジンジャーブレッドハウス(2018年11月12月レポート)は食べられない、うまく作れないなど不評であったために、今年は誰の口からもやろうという言葉はでず、自然淘汰されました。。。
エルフは毎日子供が良い子にしているか観察しサンタ(北極)に日帰りで報告に行き、毎日朝帰りします。ですので毎朝家の中の違う場所にいて、朝起きた子供達が一番でどこにいるか探しに行きます。
我が家のクリスマスプレゼントですが、サンタクロースに私がメールでプレゼントをオーダーします。子供の立ち振る舞いによって24時間前までキャンセルできるシステムになっています。
今年は複数回キャンセルボタンに手がかかり、エルフもサンタへ告げ口へ行きましたが、無事プレゼントがサンタさんより届きました。

 

 


 

 

さて、アメリカ腎臓学会@ワシントンDC(2019年11月5日~10日)にはoral presentation1本、poster presentation4本をひっさげ参加してきました。
幸運にもoral presentationに選ばれ、いよいよ今回の留学の集大成という気持ちで臨みました。しかしボスが学会には参加せず、援護射撃がない状態でのoral presentation発表のために今までの学会参加では味わったことない緊張感を味わいました。

 

 

しかし毎日のポスター掲示では、アメリカ生活でマヒした感覚の勢いで、前に来た人に、『何かある?(英語)』、なんとなく聞いてみたいことを気軽に質問してみたりと、今までにはなかった自分が舞い降りてきて、変わったな~と思った次第です。
Posterのうち1枚は学生や研修医のツアーに指定されており、緊張感を持ってずっと立っていましたが、結局回ってきませんでした(笑)。
Oral presentationは、発表自体は用意したscriptを喋ればいいだけなので問題はありませんが、質疑応答が困ったものです。
想定されるQ & Aはもちろん用意しますが、想定外のものが来た場合は、『明らかな方向が間違っていなければ自分の手持ちの情報を言い切ろう』とアメリカ生活で得たサバイバルテクニックで乗り切ろうと考えていました。

 

 


 

 

質問は予想範囲内であったために、少し喰い気味に答えてしまい、聞いていていただいた日本人の先生に見事に見透かされていました。留学前の自分では到底想像はできなかったことだと改めて思いますし、とにかく良い経験が出来たと思います。
お勉強ではpreliminary programで高血圧を選択し、帰国後のためのリハビリを行いました。久しぶりに移植以外の情報に触れ、さてそろそろ、移植以外の論文やら読み物を読み始めようかなと思いました。
臨床の面では色々と感覚なり実際の知識なりが大きく失われており、復帰後の生活に戦々恐々ともなってきている今日この頃です。
ワシントンでは電車(路面と地下鉄)を約1年半ぶりにみて興奮し、毎日地下鉄で学会会場まで通いました。そして大都市っぷりに圧倒されました。やはりMemphisは田舎です。

 

 

さて、12月14日にはMemphisで記念すべき瞬間がありました。Memphis Grizzlies (渡邊雄太)とWashington Wizards(八村塁)の今年初対戦の試合があり、同じコートに日本人が同時に立った瞬間を見に行くことができました。
その日は日本人記念ゲームということで様々な特典があり、試合前のシュート練習をコートサイドで見学でき、選手入場をロッカールームから出たところでハイタッチで送り出すことができました。
また、それが終わって自分の席に戻ろうとフラフラしていたら、チームの取材班がインタビューに答えて欲しいということで、我が家族がコートサイドで捕まりました。

 

 


 

 

元々英語でのコミュニケーションに問題がある私と極度のシャイな娘へのインタビューはおそらく放送禁止状態であったと推測され、チームのサイトなど調べましたが、見事に放送されていませんでした(よかった)。ちなみに、このインタビューも、アメリカで培った『明らかな方向が間違っていなければ自分の手持ちの情報を言い切ろう』というサバイバルテクニックで乗り切ったつもりです。まぁ、よかったよかった。

 

最後にアメリカに来て18か月間の『自身の心境』は、“さぁ日本へ”、という心境です。10月に留学で産み出した論文の初めてのacceptがあり、12月にさらに追加で2本の論文のacceptがありました。
これにて肝腎同時移植のlocal cohortを用いた研究も終わりとなりました(officeにつまれた紙カルテともさようならです)。また新規の論文(pureな腎移植)も12月中旬に1本投稿し、1月にもさらに2本投稿予定です。
予定ではもう2本書いて全てのprojectが終わる予定です。
この18か月で論文作成の様々なプロセスを経験でき、悔しさと嬉しさで一喜一憂しつつも、しまいには無感情で投稿作業をテキパキとこなせるようになりました。研究チームとしての動きや目標の立て方、それに対して遂行する方法(time lineの重要性、役割分担)にも慣れてきました。

 

改めて思うところは、一人で研究を行うことは不可能であり、励まし合い、得意なところで貢献するというチームプレーが、論文を継続的に書けるコツだと言うことです。
さぁ日本へ、ということで、帰国後にどうやって臨床をメインでやりながら研究を続けていくか、と考え始めました。臨床やりながらというのは大変であることは容易に予想されますが、チームプレーと励まし合いで、このゆっくりでも回り始めた水車の如く、研究が回り続ければよいと思っています。
毎日1歩ずつ何かが進歩していれば、残り2か月(60日)のトレーニング期間で大きく成長できると信じて、少なくなった残りの日を楽しみます。
次回はとうとう最終回、アメリカ留学の総括+自身の心境(最後)についてレポートする予定です。

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