メインビジュアル

聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 神奈川県川崎市宮前区

〒216-8511 神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1

お問い合わせ044-977-8111

MENU

留学記 abroad-201807

留学記 From Memphis, Tennessee

2018年7月・8月レポート

2018年8月1日から、The University of Tennessee Health Science Center(UTHSC)にpostdoctoral fellowの職位で主に腎移植の臨床研究留学をさせていただいております。
大学はTennessee州のMemphisに位置しており、決してニューヨークやロサンゼルスのような大都会、明るさはありませんが、南部の匂いを色濃く残した少し田舎町というlocationです。有名なのはエルビス・プレスリーの終の棲家があり、現在はミュージアムとなっています。
カントリー・ロックミュージックの聖地と呼ばれています。

 

 


 

 

またFedexの本社があるのがMemphisです。日本人のバスケットボールプレイヤーの渡邊雄太がNBAと下部組織のtwo way contractという契約を結び、ひょっとすると田臥勇太依頼の2人目のNBAプレイヤーが誕生するかもしれません。
一方危ない地区は毎日gun shootingがあります。家族連れ、かつ、現在住んでいる所は中心街から車で30分なので、危険なところに夜いることは基本的にはない現状です。
UTHSCは主に医師薬科大学組織であり、関連病院はMethodist University Hospitalというキリスト教系の病院となり臨床研究データはこの施設のデータを用います。腎移植は年間150件、肝移植も年間100件程度行っており、あのスティーブ・ジョブスが肝移植を受けた病院としても有名です。

 

 

今回のレポートは主に研究内容より、アメリカに来てからのset upについてのレポートとします。家族(妻、6歳と2歳の娘)と一緒に渡米するので、行動が制限されることも考慮して、準備期間も含めて渡米いたしました。
大学の同僚には、アメリカ留学の準備期間を含めて多大なる協力をして頂き、本当に感謝しております。そのおかげで海外生活初めてで英語が苦手なアジア人でも、なんとか最初のset upの1か月を乗り切ることができました。
現在では留学に際し必要な事は本、インターネットでの先人の情報、現地に先に留学されている方々の情報などで、概ね問題なく事が運ぶと思います。

 

 


 

 

何事も準備が大事です。アメリカについてから行ったことは、social security number(SSN)申請、銀行口座の開設、中古車の購入、アパートの契約、税金関連の書類をweb上で作成、日本大使館へ在留届を提出(web)、ガス電気の契約、子供のワクチン接種(日本ではA型肝炎を追加で打っていったが、DPTが1回アメリカの規定から不足していた)、子供の小学校のentry(web)、日本語補習校への入学手続き等を7月中に『1日1個達成できればいい』の気持ちで行っていきました。
実際にはSSNを獲得しないと家の契約ができないので、渡米後はしばらくホテル暮らしとなります。そうこうしている間に、生活の基盤は7月中に固めることができて、心底ほっとしました。

 

8月に入ってから、UTHSCとMethodistのID作成や健診(Methodistは病院なので自分のワクチン接種歴:これはT spotを日本で検査して陰性であったので、ツベルクリン反応検査を回避できたのでよかった)を行いました。日本とは違い、アメリカでは契約前に事が進むことはない(8月1日から自身のIDがやっと発行されるので、事前の登録や出来ること:e-learningやら、は全く7月中はできなかった)印象を受けました。各事務の対応の温度差が激しく、丁寧にメールを返信してくれる人が少数ながらいますが、無視されることが大半で、直接確認に行っても、全くどうした?の対応をされます。これは事前に聞いていたことですが、ガンガン確認をしないと、本当に無視されるみたいです。
また本人達は全く悪気はないのでしょうが、対応・態度が極めて悪いのも特徴です。話が進むと笑顔が見えたり優しかったりするのですが、なぜあんなに最初から不機嫌か不明です。
根底には自分たちの仕事を増やしたくないのでしょう。日本の秘書さんや事務の方の対応の良さに、改めて感激をした次第です。

 

アメリカに来て感じたことは、本当に人種が多様で、インド系アメリカ人の多さにびっくりします。これは地域差も大きいと思いますが、ここMemphisはAfrican Americanの比率が大きく、医療系はインド系が多いのが特徴です。
実際に腎移植内科医の3/4がインド人、肝移植内科医の3/4がインド人です。また孤独な怪しいアジア人の私にやさしく対応してくれるのは、そんなインド系の人であったり、African Americanであったり、メキシコ系の人達であったりします。
そして気になるのが、なんでそんなにゲータレードを飲むのか、部屋が極寒なのか(ボスの部屋が体感温度10℃くらいで逆に笑いました、ボスが“They try to kill me”とボヤいていました)、いたるところでパンクしているのか、リサイクル意識させるくせにリサイクルする気がないゴミ箱だったり、果物が異常に売られていたり、ティッシュボックス異常に高い、グミなんでそんなに好きなの?、、など突っ込みどころ満載です(笑)。

 

最後にアメリカに来て2か月間の『自身の心境』は、やはり日本人は内向的、英語力に過度の不安や自信のなさを露呈する人種なんだな、と痛感しました。
アメリカには英語喋れない人(主にメキシコからの移民)が多数いますが堂々とスペイン語しゃべっていますし、我がもの顔で生活しています。インド系の人達の英語の訛りは強いですが、ガンガン高速で喋ってきます。
また私は医師歴14年ですが、英語がしゃべれる“だけ”のレジデントやフェロー達にビビってしまっていますが、おそらく日本の優秀な医師達の方が臨床能力は高いんだろうな、と内心思って抵抗しています。
たったそれだけなのに、現時点ではアメリカ生活は『まだまだ』な心境です。
毎日1歩ずつ何かが進歩していれば、20か月(600日)のトレーニング期間で大きく成長できると信じて、とりあえず毎日を楽しみます。
次回は子供の生活と自身の研究+自身の心境(これは毎回)についてレポートする予定です。

ロゴ
地域・医療連携お問い合わせ
ロゴ
研修お問い合わせ
ロゴ
入局説明会 申し込み